第三内科について

ご挨拶

総合力と専門性の両立、これが私たちの目指すもの!教授 小川佳宏

内科学の魅力は、全身を俯瞰することにより、疾患の成因を解明し、新たな診断・治療戦略を開発することです。総合内科学講座として100年以上の歴史を有する病態制御内科学(第三内科)は現在、内分泌代謝・糖尿病、血液、肝臓、膵臓、消化器の五つの研究室がボーダレスに結集しており、「安心かつ良質な専門医療の提供」「独創的な医学研究の推進と高度先進医療の開発」「次世代を担う若手医師・研究者の育成」の3つを講座運営の基本理念としています。

幅広い領域をカバーする内科学では、若い時には総合力を身に付け、年次を重ねるごとに専門性を深めていくことが重要です。指導的立場になると、高い専門性とともに物事を俯瞰的に判断する総合力が求められます。総合力と専門性の両立は永遠の課題ですが、第三内科は日々の診療活動・研究活動を通じて教室員が生涯にわたって成長できる教室を目指しています。このため専門分野の壁を越えて、基礎研究と臨床研究を有機的に結びつけることを常に意識しています。各研究室の独自の活動を充実させるとともに研究室間の連携を重視しており、専門分野を越えて診療と研究に取り組んでいます。

教授 小川佳宏

第三内科では、自分自身の専門領域が異なる専門領域とどのように関連し、患者さんが診療されるのか、自分自身の専門領域が異なる研究領域とどのように化学反応して独創的な研究成果が産まれるのかを実感できます。例えば肥満・糖尿病のような代謝疾患と肝臓・膵臓などの消化器疾患は密接に関連していますが、日常的なコミュニケーションを通して、1つの専門領域における最先端の考え方や研究手法が別の専門領域へスムーズに応用可能です。臓器連関、慢性炎症、エピゲノム記憶、腸内細菌のような領域横断的なキーワードを掲げて、臓器別の専門疾患の発症機構の解明と画期的な診断法・治療法の開発を目指しています。

AI・IoTなどのテクノロジーの進歩により、医療現場・医学研究にも大きな変化が訪れようとしています。次の時代を担うリーダーを育成するためにも、新しい内科学のあり方を提案したい。第三内科にはそのポテンシャルがあり、それが大学の総合内科学講座としての重要なミッションです。幸いにも第三内科には関連病院も多く、大学と関連病院の連携を通じて、視野の広い医療人を育成していきたいと考えています。総合内科学の醍醐味を存分に実感できる教室として、これまでの良き伝統を守りつつ、次の100年間の基盤となる新しい伝統を創っていきたいと思います。今後とも病態制御内科学(第三内科)を御支援いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

2019年(令和元年)5月1日 小川 佳宏

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