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留学経験者の声

第三内科入局によって実現できた海外留学。 Farncombe Family Digestive Health Research Institute, McMaster University 白 暁鵬

平成28年米国消化器疾患週間(DDW)際に、McMaster大学Dr. Bercikの腸脳相関の演題に惹かれ、レクチャー後に直接お話しすることができました。とても興味のある研究領域であり、第三内科での研究との関連性も強く、留学する決意をしました。消化器研究室の秋穂先生と伊原先生にご紹介を頂き、平成30年2月からカナダ国ハミルトン市にあるMcMaster大学へ留学をしました。

ハミルトン市は北米のオンタリオに位置しており、小さな街ですがとても住みやすくMcMaster大学を中心に学研都市として発展を遂げています。トロント市から車で40分、ニューヨーク市やワシントンDCへも車で移動可能な距離にありまして、非常に良い場所です。また、生活費はトロントなど大都市に比べると安く、治安も良いため家族連れの留学としては素敵な環境です。McMaster大学はノーベル賞受賞者を多数有し、医学・理工系の研究が大変進んでいます。留学先の教室はFarncombe Family Digestive Health Research Instituteという第三内科みたいな大きな組織です。私はCollins教授とBercik准教授グループに腸内細菌と腸脳相関の研究に携わっています。こちらの研究室は非常に国際的で、Collins先生はイギリス出身、Bercik先生はチェコ出身で、その他教室メンバーはカナダ、中国、日本、フランス、オランダ、スペイン、ポルトガル、モナコ、パキスタン、イランから来ております。異なる文化背景を持つメンバーが多いため、独創性のある視点から研究が行われており、毎日新鮮な刺激を受けます。研究の視野を広げ、他国の文化や風習に触れることができ、有意義な時間を過ごしております。現在の研究は腸内細菌と神経系、免疫系との関連についての内容です。無菌マウス、Nanostring遺伝子解析、Organoid作成等の実験方法が充実しており、現在のプロジェクトも順調に進んでおります。メカニズム解明を中心とした基礎研究ですが、過分性腸症候群や便秘症等の病態生理に貢献できる可能性が考えられます。

妻と娘は私と同時期にカナダに来ており、息子は昨年こちらで生まれました。最初の2、3か月は慣れない土地で生活するのは大変でしたが、近所のコミュニティを通して現地の友人も増え、楽しい日々を過ごしています。祝日や週末にホームパーティーがあったり、家族同士の外遊があったりします。娘は公立学校のSenior kindergartenに入っており、今年9月小学校に入る予定です。最初は英語が一言も喋れなかった娘は、半年後にはネイティブに近い発音でお友達と仲良く遊んでいます。こちらの教育は非常に自己表現力の育成に力を入れており、まだ幼稚園ですが定期的に個人ずつ発表があります。親が手伝いながら、A4紙2-3枚のスライドを作成し、クラス全員の前で5分間発表します。娘の一生懸命練習する姿を見て、とても感心しました。海外での生活経験は家族にとっても非常にプラスになります。

まだ進行中ですが、カナダでの留学経験は自分だけではなく、家族全員の一生の財産になります。この留学のチャンスは第三内科のサポートなしではとてもできないものです。医局入局と研究室所属は、人生の更なる発展を提供してくださるためには大事なことであると実感しました。ぜひ新しい可能性を一緒に見つけていきましょう。

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