学生教育
目的
医師としての基本的な姿勢を学び、患者さんと直接向き合い、人間関係を確立し、問診や診察を正確に行えることを目標にします。また、胆道・膵臓疾患やその検査法について学習し、個々の症例において適切な検査方法を選択し、的確な診療プラン(診断・治療・患者教育)を立案できるようになること、基礎研究の面白さを実感し、基本的手技を理解し、実践できるようになることを目指します。
病棟実習
実習中は当科に入院中の患者さん1名を担当します。
実際に医療面接と診察をしてもらい各検査を見学して頂きます。その結果について病棟主治医とディスカッションしながら症例を正確に診断し、適切な治療方針を計画していきます。週1回の病棟カンファレンスでは担当症例について発表し、症例提示の方法について学びます。また、看護師や薬剤師などコメディカルスタッフの仕事についても理解を深めていきます。
外来実習
実際の外来診療を見学します。基本的な内科一般の診察方法に加え、胆道・膵臓疾患における特徴的な身体所見の取り方を学習し、実際に経験してもらいます。また、外来主治医から実際の検査値や画像について説明を受け、疾患についての理解を深めていきます。患者に対する生活指導や、精神的ケアの方法についても学びます。
検査見学
胆道・膵臓疾患を正確に診断するために様々な検査をおこなっており、膵臓の内・外分泌を評価するための各種負荷試験や、経腹超音波検査、内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査や肝腫瘍生検、超音波内視鏡検査などを実際見学してもらいます。各種検査の方法や、その所見、合併症などについて学びます。
エコー実習
経腹超音波検査は非侵襲的な検査にもかかわらず、腹腔内の各臓器をリアルタイムに高解像度で観察できる優れた画像検査です。胆道・膵臓疾患においては必須の画像検査の一つです。実習中には学生または研究室スタッフを被験者として実際に経腹超音波検査を施行してもらいます。
基礎配置
当研究室では急性膵炎や慢性膵炎、膵癌、膵神経内分泌腫瘍などの病態に関わる基礎的研究をおこなっています。基礎配置では実験動物や培養細胞を材料に、リアルタイムPCR法やウェスタンブロット法、分子生物学的手法などを用いて実験を行います。その中で、実際に手を動かしながら、基本的な実験手法の原理から先端的な実験手法までを学んでいきます。病態を細胞生物学的、分子生物学的な視点から解明し、それにもとづいて新規治療法を提案・開発することの難しさと面白さを少しでも感じてもらえればと思います。
卒後教育
初期研修
ローテ―ト(2-3か月間)では、入院を要する膵疾患の患者さんを主治医とともに担当します。疾患としては膵悪性腫瘍(通常型膵癌、神経内分泌腫瘍)および急性膵炎・慢性膵炎急性増悪・自己免疫性膵炎・胆道疾患などです。実際に患者さんを担当し、具体的な診療方針について主治医と1対1で相談し、できるだけ研修医の先生に実際の診療を体験してもらうよう心掛けています。こうして膵臓の診療を専門とした部門ならではの膵疾患の検査の進め方、治療の選択を自主的に学習することを目標としています。また、週に一度カンファレンスを行い、個々の症例の診療の疑問点に対して研究室全員で意見を出し合い解決することでさらに疾患への理解を深める場としています。なお、悪性疾患を診療する機会の多い当科では研究室一同、前向きに最新治療をしながらも、病状初期より患者さんや家族の苦痛の緩和を第一に考えるという積極的・緩和的医療の両立を心がけており、それを研修医のみなさんにも実体験してもらうことを目指しています。
3年目(入局)以降
基本的には大学病院または関連病院で外来・病棟診療・内視鏡をはじめとした検査・治療に携わってもらいます。当研究室は中規模以上の中核病院で、膵を中心とした消化器病診療で活躍する多数の医師を輩出しています。先輩医師の指導のもとで膵臓のスペシャリストに必須な診療知識や技量を学びます。その中で、専門医資格の取得もできるようプログラムしています。女性医師も活躍しています。また、基礎研究や留学など個人の希望に沿って柔軟に対応し、膵臓病学のさまざまな分野で活躍する医師を育成しています。
当研究室に興味をお持ちの研修医・医師からのお問い合わせ・見学を歓迎致します。
一緒に膵のエキスパートを目指しましょう。